ホイスト式クレーンの故障と対処法

今までちょっと気がつかない経験したトラブルと対処法を幾つか紹介します 随時書き込みします.
故障状況 原因 対処法
すべて不動作 ブレーカーがおちてる
電線間短絡 漏電が考えられる
テスターで線間抵抗値を当たる
メガで絶縁を当たる
異常が無ければブレーカーを入れる
 すべて不動作2
メインマグネット動作不良
メインマグネットの操作回路断線
メインマグネット接点接触不良
メインマグネットコイル不良
 殆ど痛まないメインマグネットですが
接点接触不良及びコイル不良が
極まれに おきます
クレーン電源ブレーカーが よくおちる ブレーカー容量不足
ブレーカー不良 (うなり音発生)
ブレーカーを取り替える
 巻上下時マグネットが自己保持する  巻上下マグネット補助接点AとBの間に 接点カスが付着して自己保持してしまう  マグネットスイッチ交換
ホイストの横行位置によって走行接触不良による不動作をおこす 横行キャプタイヤケーブルの走行操作線断線
断線箇所補修
走行中 逆ボタンを押しても 同方向に動く 1クッションスターター不良 
2クッションスターターの効き過ぎ
3走行マグネットスイッチ接点不良(単相)
1クッションスターター取替え
2クッションスターターのトルクを強める
3マグネットスイッチ取替えか接点取替え
日立5M-T55のブレーキ部品一式を取り替えたら 巻き上げだけ ブレーキライニングがホイルに擦って熱により煙が発生する 屋外使用のホイストで雨水の侵入しやすい環境で使われていてローターのブレーキ側スプラインが 変摩耗して巻き上げ時ロータースプラインとホイルスプラインがクサビ状締め込み側になり ホイルがエンブラに接触する ブレーキ1式の他に
ローターと エンブラ組取り替え
日立5D−T55で 定格荷重をつり上げて 横行操作すると 東は動作 西で不動作 無負荷で東西どちらも 動作 (不動作時マグネット動作音あり モーターうなり音あり) 横行車輪踏み面変摩耗により (クサビ状摩耗)車輪フランジが横行レールに締め込み 不動作となる。 横行車輪 1台分交換
巻上下動作するとブレーキソレノイドが バタつき 巻上げマグネットが溶着した状態 マグネットの補助a接点の 固定接点部分が溶断して 可動接点が固定接点を乗り越え引っ掛かって マグネット主接点が 溶着したような状態に なっていた マグネット補助接点取替えか
マグネットスイッチ本体取替え


鈴木製機ポーリフト上限下限位置の変動が激しい リフトの荷台裏側の落下防止ナットのゆるみにより チェーンのゆるみ発生により モータースプロケットからチェーンが 山飛びする リフトの荷台裏の落下防止ダブルナットを 適正な位置に締め込み チェーンのゆるみをとる ダブルナットは 緩まぬよう確実にしめる
象印チェーンブロックFAタイプ巻き上げブレーキが 遅効きする 巻き上げブレーキのジスクが 短時間磁化することで ブレーキが 遅効きする 巻き上げブレーキのジスク2種類2枚取り替えと ついでに ライニング取り替え
神内サドルSC-80Aの走行ブレーキの効きタイミングが 合わない 走行ブレーキジスクが 短時間磁化することで ブレーキの効きタイミングが 合わない 走行ブレーキジスク取り替えと ついでに ライニングも取り替え
上のトラブル2件のように 直流ブレーキを使用した機械の場合 ブレーキジスクが 帯磁して悪さをするので 要注意 ジスクの厚さが 厚いほど 帯磁しやすいようです 明電の場合 ブレーキコイルとジスクの間に 隙間板などの 薄い鉄板が入っているため 帯磁しにくいようです
突然の暴走 押釦スイッチ内押釦ユニット取り付けネジ脱落のうえ コモン銅バーと操作線端子取付ビスに当たり短絡し暴走 押釦ユニット取付ネジ定位置に取付締め付け(取付ビスが緩んでいるくらいの状況なら押釦スイッチごと交換したほうが良策)
突然の暴走 押釦ユニットに油分水分等が長い間付着する事によりユニットプラスティックが 炭化しリークを起こし暴走 押釦ユニット交換(押釦スイッチごと交換したほうが良策)
押釦を押し終えて指を離しても
動作し続ける1(暴走)
押釦押しゴム硬化により押し釦の戻りができない 押釦スイッチ交換
押釦を押し終えて指を離しても動作し続ける2(暴走) 上下横行走行等各マグネットスイッチ接点が摩耗溶着
各マグネットスイッチ交換
屋外クレーン等によくある暴走
押釦スイッチ内に雨水侵入水により通電暴走 押釦スイッチ下部に5mm位の穴2個開ける
クレーンに触るとビリビリする
フックが建物に触れると火花が出る
インバータホイストは特になり易い
走行レール上、横行レール上にホコリ、ゴミ、油分等が付着しアース不良をおこし電位差が生じる
アース用電線を1本増やし確実にアースを取る レール上の清掃しても時間がたつと また同じこと
 日立15DC-T11クレーン 巻き上げ下げ微速不動作その後巻き上げ高速まで不動作  微速用ブレーキソレノイド破損
微速ソレノイド破損したまま巻き上げ下げ微速操作を続けた結果
巻き上げモーターのサーマルが効いて 高速まきあげまで不動作になった
日立V型初期15tホイストは微速安全装置とか 0.5秒タイマーとか なにかよくわからない安全装置が付いていて 故障原因を惑わします
 微速用ブレーキソレノイド交換
結果からみれば あたりまえの
現象ですが 原因判明まで 結構
大変でした^^
 日本ホイスト5tクラス巻上時モーターウナリあり不動作  巻上ブレーキ可動鉄心爪破損  可動鉄心交換
合同会社新潟クレーンサービス